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雑談しようよ

メルカリの発送が早い女の話

私はメルカリを発送するのが早い。

 

家の近くにコンビニがあるというのもあるが、必ず24時間以内に発送する。24時間どころか、ほとんど1時間以内に出している。タイミングが良ければ購入の次の日には自宅へ届くので、購入者は多分引いていると思う。

 

とにかくやるべきことが完遂されないまま放置されている状態が我慢ならない。タスク表をまっさらに保っておきたい。どんなに締切に時間があっても、それを放置してのんびりできない。やるべきことはさっさと片付けて、その後で気持ちよくのんびりしたい。

 

メルカリに限った話ならまだいい。スピード発送者として評価が上がるだけだから。

しかしこれが仕事となると途端に厄介になる。

 

仕事はたいてい複数のプロジェクトを同時進行で担当する。Aの原稿とBの企画立案とCの取材準備、のように。Aの原稿を書いているときは、当然B、Cには手をつけられない。タスクを溜めたまま、私はAの原稿を書く。それでAの原稿が終わっても、B、Cが待ち構えている。時には新たにDが発生していたりする。

 

全部一気にガッとやってパッと休むぞ!という気持ちでいると永遠に休みは来ないことが30歳を目前にしてやっとわかった。仕事が上手な人は適当なところで区切りをつけて休んでいるらしかった。「終わってないこともあるけど、それは来週でいいでしょ」という彼らの割り切りが、私にはない。

 

これに関連して、もう一つ厄介なことがある。

例えば数日後に友達とお寿司を食べにいく約束をしたとする。すると、約束した瞬間に私はお寿司を食べなければという衝動に駆られる。「お寿司を食べる」をタスクと認識し、それをさっさと解消したいという気持ちになるのだ。それは、単に約束の時点でお寿司を連想したことによる欲求ではなく、もっと義務感のようなもの。

そのせいで、友人と会う時にはもうお寿司タスクは完了済みなので、楽しみの半分くらいは終わってしまっている。自分でも馬鹿だなと思うが、なかなかやめられない。頭でわかっていても、それだけで行動を制御できるほど、人間は簡単じゃないし合理的じゃない。

 

私に限らず、人間には大小様々なエラーがあるものだと思う。私はこういうエラーこそ人間を人間たらしめている部分だと思っている。人のちょっとした癖や合理的でない部分を見つけると、つい笑顔になってしまう。いつまでも、自分のエラーも他人のエラーも面白がっていたいと思う。

しかしそれには、今の社会はあまりにも人間同士が密接しすぎていて、時間が切迫していて、窮屈で、エラーが入り込む隙がない。エラーが許されない。だから、一定の基準を満たした人や型にはめられる人しか社会に参加できない。障害者や性的マイノリティが簡単に社会から排除されるように。

 

もっと人間同士の距離を置いて、時間にゆとりを作って生きていけたらどんなに楽だろうと思う。他人にゆとりを与えることは、自分にもゆとりをもたらすことだともっと多くの人が理解すればどんなに楽だろう。

 

私は人のエラーを知り、許したい。

あなたの個人的エラーはなんですか?